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日本医科大学心臓血管外科は夢と情熱を持った志の高い医師、そして患者さんに優しく、常に患者さんを中心とした誠実な医療に取り組める医師の養成を目指しています。そのためにも外科医として常に信頼される技術を有することが要求されます。
私達の行う手術では、生命に直結する非常に大切な臓器を扱っています。したがって外科医として、日々の修練が必要であることはいうまでもありませんが、その中でも大切なのが“基本的な知識と技術”を丁寧にかつ有機的につなげ、ミスを起こさない確実な医療を提供できるためのトレーニングです。日本医科大学心臓血管外科での研修は、その門をたたけば誰しもが同じくこの基本的トレーニングを受け、必ず心臓血管外科専門医を取得し、さらに自分自身で着実にステップアップしていくことができる、そのような研修環境が整っています。

心臓血管外科研修プログラム

日本医科大学心臓血管外科での研修の第一目標は、心臓血管外科専門医の取得にあります。日本医科大学付属病院での研修を中心に、その他の付属病院および関連病院において数多くの手術経験をすることで、外科専門医そして心臓血管外科専門医を最短コースで所得しうるプログラムを設定しています。トレーニング内容により、以下のような5つのステップに分かれています。

Step1

心臓血管外科(8ヵ月)、呼吸器外科(2ヵ月)、内分泌外科(2ヵ月)のローテーションを含めた研修を行う。外科一般手技(切開縫合、切開ドレナージ術、気管切開、中心静脈カテーテル挿入、胸腔ドレーン挿入、心嚢穿刺など)および知識の習得、さらに心臓血管外科手技(血管縫合、ペースメーカ手術、下肢静脈瘤手術、シャント作成)を経験する。

心臓血管系の発生、解剖、生理を理解するとともに、各疾患の病態生理を理解する。また各種検査所見の理解と心臓血管領域の基本検査手技(Swan-Ganzカテーテル挿入、経胸壁心エコー、経食道心エコー、末梢血管エコー、カテーテル造影など)を習得する。

胸部外科学会、心臓血管外科学会、もしくは循環器学会の地方会にて症例報告を行う。

Step2

付属病院または関連病院にて一般消化器外科研修を行う。外科基本手技および検査手技の習得を行うとともに、外科専門医取得に必要な経験を、主に術者として経験する。

外科学会地方会にて症例報告を行う。

Step3

心臓血管疾患の周術期管理(主に開心術後の循環、呼吸管理)を習得する。循環器薬剤を的確に使用でき、また呼吸器装着の判断と離脱の判断を正確に下せるようになる。緊急時のcardiorespiratory resucitationを確実に施行でき、薬物、除細動、ペースメーカなどの使用を的確にできる。人工心肺、補助循環装置(PCPS)、大動脈バルーンパンピング(IABP)の適応の判断と使用が可能となる。

主要な研究テーマを決め、実験もしくはリサーチを開始する。

Step4

心臓血管外科基本手技を習得する。人工心肺の着脱、グラフト採取の他、難易度の低い手術(ASD閉鎖、三尖弁形成、末梢動脈瘤、末梢動脈形成など)の術者を経験する。

Step5

自分の判断で手術適応を決め、治療戦略をたてることができるようになる。2年間で難易度の中等度手術(1枝の冠動脈バイパス術、単弁置換術、僧帽弁形成術、心臓腫瘍摘出、上行大動脈置換術、心房細動手術、腹部大動脈瘤手術、下肢バイパス術など)の術者を経験する。また技量に応じて難易度の高い手術(多枝冠動脈バイパス術や弁形成術、大動脈解離手術なども)を経験する。

主要な国内外の学会において発表を積極的に行い、研究成果を一流学術誌に報告する。

指導体制

指導医、医員、大学院生、臨床研修医からなるグループの一員として組み込まれ、術前管理、手術、および術後管理について症例を通じて専門的指導を受ける。

研修に関する行事

手術日は月、火、水、木、金曜日である。

週2回(月曜朝、金曜夕方)の症例検討会

毎朝(月〜金)のミーティング

循環器科との合同カンファレンス(金曜日)

動脈瘤治療に関する循環器科、放射線科との合同カンファレンス(水曜日)

外国文献抄読会(月4回 月曜日)

リサーチカンファレンス(月1回 月曜日)

死亡症例カンファレンス(不定期)

治療難渋症例カンファレンス(関連病院合同 年1回)

指導医

心臓血管外科

教授

石井 庸介

准教授

佐々木 孝

講師

丸山 雄二

講師

宮城 泰雄

病院講師

栗田 二郎

助教

森嶋 素子

助教

太田 恵介

個別プログラム

心臓血管外科入局後は、一人一人の希望にあわせた個別プログラムを作成することも可能です。専門医の養成とともに外科医、かつ循環器科医としてバランスのとれた一般知識と経験を有した医師としてのトレーニングを推奨しており、一般消化器外科、集中治療における全身管理、またカテーテルインターベンションのなど、他科での研修をプログラムに組み合わせることにより、幅広い知識と技術の習得が可能となります。また、大学院への進学を考えている場合、スタッフそれぞれに最先端の研究テーマを提供することが可能です。
研修中は積極的に学術集会へ参加してもらいます。特に国際学会への参加、発表を推奨しており、国際感覚を持った外科医として広く知見を求め、また海外研修および海外留学を見据えた国際交流が可能となるような経験を期待しています。

大学院について

日本医科大学大学院博士課程にて以下に示すような心臓血管外科関連の研究を行っています。

心筋保護法の開発

再生医療(末梢血管新生、心筋再生など)

不整脈手術の開発

不整脈のメカニズムの解明

低侵襲治療の開発

冠動脈バイパス術に使用するグラフトデザインと予後に関する研究

術後心臓リハビリテーションの研究

学会活動について

日本医科大学の研修プログラムに参加される方は以下にあげる国内学会に所属することを条件とします。これら学会の学術集会には必ず参加するとともに、指導医のもと抄録を作成し、筆頭演者として発表を経験してもらいます。

国内学会 国際学会
日本外科学会
日本胸部外科学会
日本心臓血管外科学会
日本血管外科学会
日本循環器学会
Society of Thoracic Surgery (STS)
American Association for Thoracic Surgery (AATS)
The International Society for Minimally Invasive
Cardiothoracic Surgery (ISMICS)
American Heart Association (AHA)

国外留学について

日本医科大学心臓血管外科ではこれまでに以下の大学および研究機関と交流を持ち、留学生を派遣してきました。

北米 欧州
Washington University in Saint Louis
Duke University
Stanford University
Harvard University
Yale University
University of Tronto
St.Thomas Hospital
Karolinska University

若手医局員の声


上田 仁美
卒業:2010年3月

学生時代

サッカー部のマネージャーとスロット屋のフロアレディに励んでいました。勉強は苦手でしたが、なんとか医師になることができました。

心臓血管外科志望動機

もともとは消化器外科志望でした。研修医2年目の4月に心臓血管外科をローテートした時、心臓マッサージをされながら運ばれてきた急性大動脈解離の患者さんが手術を受けて歩いて自宅退院する姿に感動し、心臓血管外科の道を決めました。他病院の心臓血管外科の見学も行きましたが、一人ひとり個性強めでありながらもまとまりのある楽しい当医局に決めました。

現在

医局員の理解・協力を頂き、家庭と両立しながらフルタイムで働いていいます。末梢血管・静脈疾患の診療・手術と心臓術後管理をメインにお仕事しています。術後管理は集中治療科の協力もあり、とても充実し勉強になります。

今後

今後は研究活動も力を入れて学位取得を目指します。 また臨床についても日々勉強し、患者さんに最適な医療を提供できるよう精進してまいります。


網谷 亮輔
卒業:2011年3月

学生時代

水泳、相撲、演劇と部活動に謳歌していました。系統講義の循環器は寧ろ苦手でした。将来は外科系にしようと考えていました。

心臓血管外科志望動機

研修医の頃、開心術後に症状が顕著に改善し、活動的になった入院患者様や、術後長期間元気に通院されている外来患者様を目の当たりにし、己の手で良くする心臓血管外科に魅力・やり甲斐を感じ、入局を決意しました。

現在

臨床現場で疑問に感じた、冠動脈疾患の側副血行路の発生をテーマに、大学院にて研究を進めています。

今後

研究心を持ちつつ、外科医として研鑽を積み、今そして未来の患者様が笑顔になれる様に、患者様に寄り添い、日々邁進していきます。


泉二 佑輔
卒業:2012年3月

学生時代

アーチェリー部でシーズン中は部活中心の生活を送っていました。将来は専門性の高い診療科に進もうと思い、なんとなく心臓血管外科を考えていました。

心臓血管外科志望動機

マッチングで国立国際医療研究センターの心臓血管外科コースに決まったことで本格的に心臓血管外科医になる決心がつきました。以後、同病院で厳しくも温かい上司・同僚たちに囲まれた良い研修生活を過ごしました。

現在

岐阜県の岐阜ハートセンターで5年間心臓血管外科の修練を積ませてもらった上で、2年前に本学の心臓血管外科大学院に入学しました。現在は、1年の内半年間は小児科の深澤准教授にご指導頂きながら川崎病と動脈硬化症についての研究を行っています。残りの半年間は心臓血管外科の医師として診療に従事しております。

今後

研究を行うことで科学者としての思考力を養い、independent surgeonとして活躍することです。