ケアーからキュアーへ | 日本不整脈外科研究会

末梢動脈疾患(PAD)の最も多い原因である閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化により四肢の血管が狭窄または閉塞することで様々な症状が引き起こされる病気です。50歳以上の高齢男性に多く、喫煙や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの動脈硬化の危険因子を持つ方に多い病気です。初期の症状は足がしびれたり、歩くと疲れやすかったりします。病気が進むと安静時の疼痛が出て、さらには潰瘍ができたり壊死することもあります。

閉塞性動脈硬化症の重症度分類

閉塞性動脈硬化症の症状は、重症度により4段階に分類されています(Fontaineの分類)

  • I度
    : 無症状のものから、脚が冷たく感じる、しびれを感じるという程度の軽症のもの
  • II度
    : 歩いたときに脚が痛くなり、たびたび休み(間歇性跛行)歩行距離が短くなる。
  • III度
    : 安静にしているときにも脚が痛い(安静時痛)
  • IV度
    : 足の趾やかかとなどが黒く壊死したり、潰瘍が出現。

IV度となると5年生存率は、進行大腸癌のそれよりも予後が悪く、足の末期癌ともいえます。また、閉塞性動脈硬化症は、全身の血管における動脈硬化の一つの症状であるため、脳梗塞や心筋梗塞、腎臓の血流障害などを合併する場合もあり、注意が必要です。

検査

身体検査として、まずは脚の皮膚の色を診たり、動脈の脈拍の触れを確認します。生理的検査法としては、上腕足関節血圧比 (ABI)もよく使われます。これは、腕の血圧と脚の血圧の比です。脚の血流が悪くなると、脚の血圧が下がってきます。

ABIの低下があり症状がみられるときは、画像診断を行います。カテーテルを使った血管造影やCT、MRIなどの検査などがあります。

治療

末梢動脈疾患に対する治療には大きく分けて以下の3つの方法があります。

1 保存的治療:適度な運動により新しい血管が作られるのを促します。また血液をさらさらにする薬を内服し、症状や虚血の改善を図ります。

2 血管内治療:カテーテルによる血管内治療を行います。固い風船で狭窄した血管を広げたり、金属で作られたステントという筒で血管を形成します。

3 血行再建術:手術により人工血管や患者さんの静脈を使って、閉塞部位を迂回した血液の道を新しく作ります。

血行再建術 人工血管

当院の特色

治療の対象となる患者さんは多く、循環器内科・放射線科・心臓血管外科が協力しながら情報を共有して、みなさんにとって最良の医療を提供できるよう日々診療にあたっています。
従来の外科手術に加え、各診療科の特色を生かしながら、低侵襲なハイブリッド治療(骨盤部の動脈に対してカテーテルを用いた血管内治療と共に、人工血管によるバイパスや動脈形成など外科手術を協力して行うこと)を積極的に行っています。また、他院では下肢大切断(膝上や膝下での下肢の切断)が必要と診断されてしまうような重症下肢虚血肢の患者さんに対して、Distal bypass (自己の静脈を使い、鼠径部の動脈から足首の動脈へのバイパス) を行い、下肢救済を目指しています。当院での治療をご希望の方はご連絡お待ちしております。

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